マリエ
こんにちは、JobTier編集長のマリエです。
「自分、またはチームメンバーのパフォーマンスが正確に可視化されたら・・・」
こう思ったことがある方は多いのではないでしょうか?
マリエ
自分だと、ちょっと体調が悪くても「いやー、大丈夫!元気でしょ!」と精神論で押し切っちゃったりするので、本当の体調ってなかなか分からなかったりするんですよね。
パフォーマンスが可視化されれば、
のはもちろん、
こともできるので様々なシーンで活用できます。
マリエ
そこで今回は、ウェアラブル端末を活用したパフォーマンス改善ツールを提供している株式会社enstem代表の山本さんにウェアラブル端末の可能性と起業のストーリーについて語っていただきました。
ちなみに、山本さんは新卒でGoogleに入社し、その後AIの会社を経験して起業。
今に至るまでは、たくさんのハプニングを乗り越えてきたとのことで、びっくりするような話もたくさん!
マリエ
そんな株式会社enstemの創業秘話をまとめてみました!
このページの目次
マリエ
山本さん、本日はお話できることを楽しみにしてました!
どうぞよろしくお願いします!
山本さん
よろしくお願いします!
zoomで取材させていただきました!(取材日:2021年8月4日)
マリエ
まずは、事業内容について教えてください!
山本さん
生体データ事業とマーケティング事業の2軸で事業を展開しています。
山本さん:生体データ事業では、「-Hack your potential- 非連続的成長を、連続的に。」をテーマに、ヒトの「ポテンシャル」を「パフォーマンス」に変えるプロダクトとして「Nobi」をリリースしています。
Nobiは専用のウェアラブル端末から取得できる生体データと、毎日の簡易的なアンケートの回答から得られる主観のデータを分析し、パフォーマンスを最大限に引き出すためのアドバイスを提供するサービスです。
山本さん
パフォーマンスを向上させたい個人の方にも社員の体調を科学的に判断したい法人様にも喜ばれているのが特徴です。
マリエ
そもそも、山本さんはなぜ起業しようと思ったんでしょうか。
山本さん
元々僕の家系は事業一家なので、地元の浅草でお菓子屋さんや中華料理をやっていたり、銀座で居酒屋をやっていたり。商売をやっている人が多くて、子供の頃から純粋に憧れていたのが一つ目の理由です。
山本さん:もう一つは大学3年生の時に夢だったプロ野球選手の道を怪我で諦めることになったのがきっかけですね。
この時、30歳までには事業を起こそうと決めました。
マリエ
新卒でGoogleに入社したのも、起業するためだったんでしょうか?
山本さん
はい、起業のために修行をしようと思い、外資から国内大手、ベンチャー企業とまずは見てみようと思って色々な企業にインターンをしていました。
山本さん:その中で、当時シリコンバレーに住んでいたのもあり、IT分野なら自分で事業を立ち上げられるかなと思いGoogleに入りましたね。
マリエ
では、計画通りの起業だったんですね!
山本さん
実は・・・予定より2,3年早く事業を立ち上げることができました。
山本さん:googleを辞めた時に、ある社長とランチを食べていたんですけど、初対面で「山本くんに広告運用を全部任せたいんだけどやってくれないか?」と言っていただいて・・・
勢いで「はい」って言っちゃったんですよね(笑)
マリエ
え!?
山本さん
いきなり数百万とか数千万の取引がきちゃって、個人でやるのは無理だよねって話で。
早く会社立ち上げなきゃってことで、急いで作り方を勉強したり税理士を探したりして、まずは合同会社enstemを立ち上げました。
マリエ
「はい」って言えてしまうのがすごいです・・・。
ちなみに、なぜ「enstem」と名前をつけたのでしょうか?
山本さん
enstemにはen=日本語の「縁」、stem=英語で「幹」の意味です。
根底の考え方として「縁を大切にしていきたい」と言う想いがあり、造語としてつけました。
マリエ
素敵な会社名ですね!
その後、株式会社化したんですか?
山本さん
タイミングとしては一緒に立ち上げた現取締役の勅使瓦が「腹括ってやる」と言ってくれたのもあり、僕もちょっと頑張ろうと思いました。
山本さん:事業の内容としては最初、宇宙レベルの話か、身体のミクロにいくかの二択で考えていたんですが、宇宙ビジネスはお金がすごいかかるなと思って。
僕は元々野球をやっていたので、身体のことだったら詳しい人もたくさん知っているし、改善すべき課題も明確。
そして、AIの波形データは身体の構造と相性も良く、身体の診療データ(バイタルデータ)も取りやすいと考えてこの事業で展開しようと決めました。
マリエ
まさに今、注目されている分野ですよね!
山本さん
はい、ただ思ったよりも立ち上げは苦労しましたね。
身体の診療データなので、まずはサンプル数が集まらないと始まらないということでサンプルデータを集めようとしたんですが・・・日本では、身体のデータを取得することに抵抗ある人が多くて全く集まらなかったんです。
マリエ
え、最初から試練ですね。。
山本さん
なので、東南アジア(ベトナム)に行くことにしました。
山本さん:その当時は本当にビジョンしかなかったので、現地のサッカーチームのオーナーに「ウェアラブル端末を使ってこんなことができるから一緒にやろう」と熱く想いを語ったら、その場で契約することになりました。
現地サッカーチームのオーナーさんや選手の方と撮った一枚
マリエ
すごい、山本さんの想いが伝わったんですね!!
山本さん
僕としては、目的を達成したので意気揚々と帰国しようと思ったんですけど。
ただ・・・
マリエ
ただ・・・?
山本さん
先方から、翌日に練習があるから早速ウェアラブル端末をそこで試してみようと言われて、勢いでまた「はい」って言っちゃったんですよね。
ウェアラブル端末は一台も持ってきてないのに(笑)
マリエ
すごい度胸ですね・・・
山本さん
ベトナムにはウェアラブル端末が売っていることは知っていたので、現地調達すればいいやと楽観視してました。
そしたら・・・
マリエ
まだあるんですか!?
山本さん
ベトナムでもホーチミンには売ってるんですけど、僕が滞在していたハノイには売ってなかったんですよね。
マリエ
大ピンチですね。。
山本さん
でも、やるって言っちゃったから集めないといけない。
山本さん:どうしよう。ってなっていたら・・・
当時、僕にサッカーチームを紹介してくれた現地の会社の秘書たちがめちゃくちゃ頑張ってくれて、ホーチミンにある全ての電気屋さんをピックアップして一件一件電話で問い合わせをしてくれました。
秘書の女の子たちが頑張ってくれて集まったウェアラブル端末
マリエ
そんなハプニングが・・・
結果は・・・?
山本さん
このお店から一台、あのお店から一台とかき集めて、どうにか必要な20台を集めましたね。
バイクで届けてくれた商品を全て確認しながら、夜中21時くらいまでずっと購入のクレカを切り続けてました(汗)
マリエ
おおお!よかったです!!!
山本さん
本当にいつも周りの人に恵まれているなと思います。
で、無事にデータも集まって、日本よりも明らかに反応もよかったので、「これはベトナムで事業展開できる!」と確信を持っていたら・・・・
マリエ
え、今度は何が・・・?
山本さん
そしたらコロナが流行ってしまったんですよね。
このタイミングかーーーーって正直思いました。
マリエ
また、大ピンチですね・・・
山本さん
ただ、運が良かったのは、ウェアラブル端末で主観データと生体データの両方をとっていて、面白いことが分かったんですよね。
マリエ
面白いことですか?
山本さん
はい。
僕たちが集めているデータで、主観データは自分で「元気」や「疲れている」の判断ができるので、頑張り屋さんは疲れていても「元気」とつけてしまいがちなんですよ。
山本さん:一方で、生体データは心拍数や血圧値などから判断する正直なデータです。
その時わかったのは、主観データは「元気」とついていても、生体データが「高ストレス状態」で、「絶対体調悪いはず」と思っていた人が、実際に2週間後に休職してしまったんですよね。
その時、もともと僕らは個人がさらにパフォーマンスを上げるための生体反応をキャッチアップする仕組み作ろうと思っていたんですが、それだけではなく、体調が悪くなる前のアラート機能としても使えるんだ!ということに気付くことができました。
マリエ
なるほど!!
山本さん
そこから離職率が高いマーケットに需要があるんじゃないかと思って、最初は介護施設とかコールセンターとか、いわゆるブルーワーカーとかエッセンシャルワーカーを多く抱える業界に提案にいきました。
この戦略があたって、今では多くのお客様に喜んでいただけてるサービスになっています。
山本さん:それともう一つ、価格の問題を解消したのも大きいです。
一番安く仕入れるルートを作れたので、enstemが提供するウェアラブル端末のコストは業界最安値です。
その金額が、福利厚生費用としてちょうどマッチして導入のハードルが下がったのも好評いただけている理由ですね。
マリエ
企業側もなるべく低コストで導入したいですもんね。
山本さん
そうですね。
あと、元々コロナで大打撃を受けたのですが、コロナによってテレワークが導入され、テレワークでの体調不良が増えたことは僕たちの事業にとっては転機でした。
山本さん:さらにサービスを導入してくれる企業も増え、今は、元々考えていたスポーツ選手のパフォーマンス向上にまで広げて取り組めるようになりました。
マリエ
数々のハプニングを乗り越えてenstemの今があるのが、よく分かりました・・・!
マリエ
最後に、株式会社enstemがどこを目指しているのかについて教えていただけますか?
山本さん
僕の理想の世界は、好きなときに好きな人と好きな場所で好きなことができる世界です。
山本さん:AIやIoTは一つのツールでしかなくて、僕たちが実現したいのは、人の情報をより理解して体動変異をおこさせて、人々の生活がよりよくなること。
なので、まずは自分の目の前にいる人たちが、好きなことを好きな時間に好きな人とできている状態を作れる世界を生み出せたらなと思います。
今後はそれをグローバルな事業へと展開していきたいです!!
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今回は、株式会社enstem代表の山本さんに、ウェアラブル端末の可能性と創業ストーリーについて話していただきました。
マリエ
株式会社enstemでは、現在一緒に事業を拡大していくメンバーを募集しているとのこと!
この記事を読んで少しでも気になった方は、enstemの採用情報もチェックしてみてくださいね。
山本 寛大(やまもと ひろたか)さん