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今回は「嫌われる勇気」の書評・要約を行なっていきます。
マリエ
「嫌われる勇気」って・・びっくりなタイトルですよね。
本書では、我々の悩みは全て対人関係から来ており、承認欲求を満たすために不自由な生き方をしていると書かれています。
そしてその事実に対し、
「他人からの評価を自分で決めることはできない。」
「それなら嫌われる勇気を持ち、自分の行動したいように行動しよう。」
と言っています。
マリエ
初めて読んだ時はとても衝撃的だったんですが、同時にすごく納得できる結論でした。
著者は日本アドラー心理学会認定カウンセラー顧問の岸見一郎さん。
本書もアドラー心理学を元にした幸せに生きるための考え方が書かれており、対人関係の悩みを抱えている人にはおすすめの一冊です。
マリエ
哲学者の先生と人生に悩んでいる青年の対話形式によってストーリーが進んでいくので、読みやすいですよ!
「嫌われる勇気」の幸福に生きるための考え方を、私なりの解釈で書評・解説していきます。
このページの目次
「嫌われる勇気」ではアドラー心理学を元に幸福になるための考え方を示しています。
マリエ
幸福になるための考え方!どういうものなのか気になりますね。
本書では全ての悩みは対人関係であると言っており、
なぜそんな悩みを抱えてしまうのか?
どのような考え方をすれば悩みが解消されるのか?
を解説しています。一例と上げると
「過去のトラウマが原因で自分が幸せだと感じることができない」のは、変わる勇気を持てないことをトラウマのせいにしているだけ。
「他人の評価を気にしすぎてしまう」なんて、自分ではコントロールできない他人の評価を気にすること自体がおかしい。
このように、よく聞く人間関係の悩みが解説されています。
心理学の観点から論理的に解説されているので理解もしやすく、人によっては人生を変える一冊だと私は思いました。
マリエ
人間の思考や幸せの本質が書かれていて、私もとても勉強になりました。
マリエ
「嫌われる勇気」は以下のような人におすすめです。
対人関係全般に悩みを抱えている人にはおすすめの一冊!
劣等感をどう解釈すればよいかを学ぶことができるため、特に自分自身を他人と比較してしまう人や、劣等感を感じやすい人にはぜひ読んでいただきたいです。
では「嫌われる勇気」で語られている「幸せに生きるための考え方」を解説していこうと思います。
マリエ
実際に本を読んだ私なりの解釈でまとめていきます!
幸せに生きるための考え方
「過去のトラウマのせいで、自分は幸せだと思えない・・。」
「あんなことがあったから、自分はダメなやつなんだ・・。」
マリエ
このように、過去のトラウマを理由に不幸感や劣等感を感じてしまう人は少なくないと思います。
しかし、本書ではトラウマをはっきり否定しています。
なぜならトラウマが原因で今の自分があると思っている人は、過去のトラウマを今の自分のままでいるための理由にしているだけだからです。
マリエ
私が聞いたことのある事例で説明します。
恋愛における事例
過去に付き合ってた元彼が実は浮気性だった。
その彼氏に浮気した理由を聞いたところ、「君にはもう飽きちゃったから。」と言われてしまった。
その出来事がトラウマで、それからいい人に出会っても「もういい恋愛はできない」と考えてしまい、なかなか踏み込むことができない。
彼氏の浮気が原因で別れ、その際にひどい言葉をかけられた。そんな過去の恋愛を理由に、新しい恋愛に乗り出せない・・。
マリエ
悲しい話ですが・・こういう経験をした人は少なくないと思います・・。
しかしこれは「新しい恋愛をしない理由」に過去の恋愛を使っているだけなんです。
つまり、自分自身で変わらない選択をしているのです。
マリエ
図を用いて説明しますね。
過去から未来に向けた時間の中で、「変わらない選択をする」というのは過去の延長上に人生が進んでいく、ということです。
しかしそれとは別の道として、今この瞬間に新しい自分になる道を選ぶこともできます。
それなのに、あえて「過去のトラウマに怯えて生きること」を選択しているのは自分なのです。
マリエ
悲しい過去に囚われず、新しい道を選びたいなら、変わる勇気が重要です。
人は今この瞬間から変わることができます。
今の自分が変わらない言い訳に過去のトラウマを使うのではなく、この先変わろうとする意志が大切なのです。
「トラウマを否定する」のポイント
世の中の全ての悩みは対人関係からきていると本書では言っています。
その対人関係の問題を解決できるのが、課題の分離です。
マリエ
課題の分離とはどういうことでしょうか?
多くの人は他人から認められたいという承認欲求があります。
しかし、自分が他人に評価されるかどうかは他人次第で、自分で決めることはできません。
つまり、「自分でやりたいことをする」ことと「他人から評価される」ことは切り分けて考えるべきなのです。
マリエ
これが課題の分離です。
マリエ
課題を分離することにおいて、ひとつ事例を紹介します。
営業成績において
保険の営業をしている営業マンAは、先月まで売上が一定のところで停滞していた。
しかし今月は先月の1.5倍の売上を達成することができた。
一方、営業マンBは常に高い売上を出している。
営業マンAの伸びが大きかったとしても、上司からは営業マンBが評価される。
マリエ
この事例、皆さんはどう思いますか?
「自分が営業マンAだったら、なんで評価されないの?と悲しくなってしまう・・」と思う人もいるかもしれません。
しかし、本書での考え方は「上司からの評価なんて気にしない。悲しむ必要なんてない。」です。
なぜなら、営業マンAが上司から評価されるかは上司の問題であって、営業マンAが決めることではないからです。
マリエ
自分で決められないことは「他者の課題」です。
他者の課題は自分から分離することで、心に余計な負担をかけずに済みます。
「課題を切り分ける」のポイント
マリエ
ちなみに、「きちんと働いて成果も出しているのに評価されない」という人は、部署や職場を変えることを視野に入れてもいいと思いますよ。
幸せに生きるための考え方、3つ目のポイントは、「仲間に貢献すること」です。
本書では、人は貢献をすることで自分の価値を感じるため、「仲間に貢献することが本当の幸福である」とまで言っています。
大富豪の人が仕事を続けるのも、慈善活動をする人がいるのも、突き詰めるとこれが理由になります。
マリエ
確かに言われてみれば・・と納得できますよね。
しかし、この他者貢献をするためにはステップがある、と本書では説明しています。
マリエ
このステップが大事だと感じたので、詳しく説明していきます!
マリエ
まず第1ステップの「自己受容」!
これがとても大切です!
何かをすることでしか自分は認めてもらえない・・そう考える人は多いのではないでしょうか?
例えば、仕事をすること、お金を稼ぐこと、家事をすること、それでしか周囲に認めてもらえない・・。
そう考えると、自分の本来の価値を見失ってしまいます。
マリエ
そうならないために、自分は存在しているだけで誰かに認められている、そう考えることが大切なんです。
次に、第2ステップの「他者信頼」です。
無条件に他者を信じてしまうことに抵抗を覚える人も多いと思います。
マリエ
裏切られたらどうしよう・・と思ってしまいますよね・・。
しかし、裏切られるか裏切られないかを私が決めることはできません。
それに、こちらが信頼していないことは、相手に伝わってしまうものなんです。
裏切られるか裏切られないかは分からない、かつこちらが信頼していないのは相手に伝わってしまう・・。
それなら、まずこちらから無条件に信頼をしてみましょう。
マリエ
ここで大切なのは「課題の分離」です。
自分でどうしようもできないことは、自分の課題ではないので、深く考えてもしょうがないんです。
そしてここまで来て、ようやく第3ステップの「他者貢献」になります。
自分が幸せと感じるためには、まず自分の存在を認め、他者を信頼することから始めていきましょう。
「仲間に貢献する」のポイント
では続いて、「嫌われる勇気」の中で分かりにくいポイントを解説します。
マリエ
私が読んだ中で、分かりにくいと感じたのは以下2点です。
マリエ
少し難しいかもしれませんが、この考え方を身につけると、より人生を幸福にできる思考が身に付くと思います!
本書は「トラウマによって今の自分がある」という考え方を否定していることは既にお話ししましたね。
この話も「原因論と目的論」に基づいています。
マリエ
まず、原因論と目的論についてそれぞれ簡単に説明します。
マリエ
この説明を見て分かる通り、本書では「目的論」で考えるべきだと主張しています。
原因論で考えると、過去にトラウマがある人はいつまでもそのトラウマを引きずって生きることになりますよね。
しかし本書で重要視しているのは、人は未来の目的を見据えて今の自分を作り出しているという「目的論」です。
目的論では過去は全く関係ありません。
例え過去に恋愛で失敗をしたとしても、幸せになりたいのであればその目的に向かって前向きに進んでいくことが大切です。
マリエ
実際は難しい・・と思う人もいると思いますが、「このまま怯えて生きる方がいいの?」「未来を変えるのは今の自分」と自問自答すると、トラウマ脱却に繋がりそうですね。
幸せに生きる考え方の中で、「仲間に貢献することが本当の幸福である」と解説しました。
この仲間に貢献することについて、他者を仲間だと考えるためには、共同体感覚を持つことが大切と本書では話しています。
またアドラー心理学でも、対人関係のゴールは共同体感覚を持つことだと結論づけています。
マリエ
この共同体感覚とは、他人を敵と見なさずに、みな仲間だと思うことです。
周りを敵と見なせば競争が起こり、競争に勝つことでしか自分の価値が評価されないという考え方で生きてしまいます。
この考え方では常に戦場にいる感覚なので、やがて心が疲弊してしまうでしょう。
しかし相手が仲間だと考えれば、競争をする必要はなくなり、心に余裕も生まれます。
マリエ
自分の周りは敵ではなく仲間!
私もよく意識して行っています。
本書を読み、特に私が重要だと感じたポイントについてお話しします。
マリエ
私が特に重要だと感じたポイントは、課題の分離と他者貢献です。
対人関係に悩みを持っている人は、根本に承認欲求がある場合が多いと考えられます。
他者からどう評価されるかを気にして生きていると疲れてしまいますよね。
マリエ
そういう人には課題の分離を理解してもらいたいです。
疲れる原因は、自分がどうにもできない他人の課題にまで首を突っ込み、解決しようとしているからです。
例えば、会社で上司に評価されるために一生懸命に取り組むけど、評価してもらえない。
でも・・実は上司は心の中で評価しているのかもしれません。
マリエ
態度として見せないだけかもしれませんが、いくら考えても自分ではわからないものです。
考えても分からないことにパワーを注ぎ、自分の軸で生きられないのは勿体無いです。
他人の課題は気にせずに、自分が解決できる自分の課題に取り組んでいきましょう!
他者貢献が重要な理由は既にお話ししましたね。
この他者貢献で注意したいのが、褒めてもらったり、見返りをもらうことを考えてはいけない、ということです。
マリエ
褒められることや見返りを求めた行動だと、誰も誉めてくれないならやめるという考えになってしまいます。
例えば、会社のゴミ箱がいっぱいになっていたから袋を替えた。でも誰にも感謝されなかったとします。
ここであなたは「なんで誰も私に感謝しないの?」と考えますか?
マリエ
でも・・そんなことをいちいち考えていたら心の余裕がなくなるし、誰とも信頼関係を結べないと思いませんか?
これは逆を言うと、自分が仕事をしているとき、いきなり誰かが「自分はみんなのためにゴミ袋を変えたのに誰も感謝してくれない!」と怒り出すようなものです。
そんなことを言い出す人がいたらどう思いますか?
マリエ
正直私は、そんなこと言うならするなよ、という気持ちになると思います・・。
この例からも分かる通り、他者とより強い信頼関係を生むためには、見返りを求めずに貢献をしていくことが大事になります。
人間関係を円満にするエッセンスがたくさん詰まった本書の考え方、普段の生活の中にも取り入れていきたいですよね。
たくさんの重要な考え方がありますが、私が特に取り入れたいと考えているのは、「課題の分離をして、他者の評価を気にしないこと」です。
自分は子供の頃から「いい子にしていなさい」と教育され、「いい子にしていたら認めてもらえる」と認識していました。
これは自分だけでなく、多くの人はそうだったのではないかなと思います。
マリエ
自分を含め、こう言った教育の中で育ってきたからこそ、評価を気にする人が多いのだと思います。
重要なのは過去の教育環境を言い訳にせず、今の自分が「課題を分離する」という意識を持つこと、そして他者を信頼して貢献しようとすることです。
まずは仕事やプライベートの中で課題を分離し、自分がすべきことに注目し、取り組んでいこうと思います。
「嫌われる勇気」は幸せに生きる考え方が書かれている本ですが、現状の出来事・状態をどのように捉えるかで幸せもなるし、不幸にもなりうるのだと思いました。
マリエ
特に承認欲求を捨てれば他者からの見え方を気にしなくていいので、生きやすくなると感じました。
課題を分離し、他者からの評価を気にせずに自分が思う行動をする。
その行動を周りがどう評価するかは他人の問題なので、自分でごちゃごちゃと考える必要はなかったんだなと知ることができました。
自分を受け入れて幸せに生きるのか、それとも悩みながら生きるかは自分次第。
マリエ
この考え方を取り入れることで、より幸せと思える人生を過ごせるようになるんじゃないかなと思います。