【書評・要約】バカの壁

記事更新日: 2021/05/21

ライター: 坂本 真梨絵

この記事を書いた人

坂本 真梨絵JobTier編集長

慶應義塾大学卒、ベンチャー企業で人事を4年経験。120社以上の転職サービス担当者と接点を持ち、400名以上のキャリア相談を担当。現在はLinkedInを活用したソーシャルリクルーティングを推進しています。

今回は「バカの壁」を解説していきます。

マリエ

この衝撃的なタイトル!耳にした方も多いのではないでしょうか?

2003年に出版され、累計440万部以上も出版された超ベストセラー作品です。

著者は医学博士や解剖学者であり、東京大学名誉教授もされている養老孟司さん。

そんな養老さんが「話せば分かるなんて嘘っぱち。なぜならバカと賢い人には壁があるから」と言っているのがこの本です。

マリエ

ここまででもなかなか衝撃的な内容ですよね・・!

この本が何を伝えたいのか?この本から学ぶことは何か?

今回も私なりにまとめ、解説していきます!

「バカの壁」の主な内容

バカの壁、それはつまり「バカな人と賢い人を隔たる壁」のことです。

ただ、この「バカ」と「賢い」は性別・学歴・IQは一切関係ないことを前提として認識しましょう。

マリエ

ではバカと賢いの差は何なのか?

それは「自分の知らない世界を知ろうとするかどうか」です。

バカな人は自分の世界以外を知ろうとしない、自分の世界が全てだと思い込んでいる。

一方、賢い人は自分の世界以外を頑張って理解しようとします。

マリエ

バカな人に対してなんとか分かってもらおうと説明しても、壁が立っているので全く伝わらないんです。

また本書では、現代人は「インプットばかりでアウトプットをしない」ことも問題だと提起しています。

人間はインプットとアウトプットを繰り返すことで学んでいきます。

マリエ

学校でも先生の話を聞くだけでなく、ノートに書いたり、自分の口で説明をしてアウトプットをしますよね。

ただそのアウトプットが圧倒的に不足していることで、自分なりの思考をしないまま知識ばかりを得て「分かった気になってしまう」のです。

知ってはいるけど、説明できない、ということは結構あるあるなんじゃないでしょうか?

マリエ

そうならないためにも、インプットだけではなく、アウトプットを意識していく必要があるんです。

「バカの壁」がおすすめの人

「バカの壁」はこんな人におすすめです。

おすすめの人
  • 「バカの壁」の理屈をしっかり知りたい人
  • 批評から学びたい人

本書は、「バカとは何か」、更には現代教育や社会について脳科学的観点から説明しており、新たな気づきを得られる場面が多いです。

ただ、強い口調・言い回しがあったり、歴史的背景や宗教にも触れていて、なかなかヘビーな内容だと私は感じました。

マリエ

そのため、みんなにおすすめ!とは思いません。

文の難易度も高めなので、気になる方はこの記事で予習をしてから本を読んでみると、より理解しやすいかと思います!

「バカの壁」をつくる人の特徴

自分の世界以外を知ろうとしない人はバカの壁を立ててしまう、という話は既にしましたね。

マリエ

でも、「自分の世界以外を知ろうとしない人」って、具体的にどんな人なんでしょう?

バカの壁をつくってしまう人の特徴として、養老さんは以下3つを上げています。

  • 分かった気になりがち
  • ”個性”を大事にしがち
  • 正解が一つだと思いがち

これらがなぜバカの壁をつくってしまう人の特徴なのか?

マリエ

それぞれ理由をまとめ、私なりに解釈してみました。

①分かった気になりがち

これは少し調べただけ、聞いただけなのに、「なるほどね!分かった!」と思い、それ以上知ろうとしない人のことです。

「全ての情報を深堀りして調べることなんてできないよ!」

そう思う人もいるかもしれません。

ですがここで言いたいことは、「新しい何かを知ろうとする姿勢」のことです。

分かった気になりがちの人は、「それ以上知りたくない」「知る必要がない」と思っているので、どんなに分かりやすく教えても聞く耳を持ちません。

マリエ

こちらがどれだけ説明しても聞いてくれず、軽くあしらう人っていますよね・・。

このような人は自分と相手の間に壁を建設してしまっているので、こちらからはどうしようもないのです。

②"個性"を大事にしがち

個性を大事にしよう!と最近よく聞きますが、養老さんは「個性を伸ばせばいいなんて嘘だ」と言っています。

マリエ

なんで!?世の中には個性を生かして成功した人はたくさんいるのに・・と思いますよね。

個性というのは「他の人と違うところ」とも言え、極端な話、普通なら考えつかないような迷惑な行動をすることもまた個性となります。

社会の中で認められるためには、社会から受け入れられなければなりません。

個性ばかりを主張し、自分のことばかり気にしているような人は当然成功なんてしないのです。

また、養老さんの意見に、脳科学的に”個性”なんて曖昧なものを信じるのは非合理的だ、というものがあります。

マリエ

確かに個性は自分が信じているだけのもので、いつどういう風に変わってもおかしくないですよね。

そのため、個性なんて曖昧なものよりも「相手が何を思っているのかを想像する力」を養うべきだと養老さんは主張しています。

相手が何を思っているのか?何を求めているのか?を想像できないと、社会の中で成功するなんてできません。

マリエ

ビジネスの本では、「顧客のニーズを最優先に!」とよく出てきますよね。

自分がやりたいことばかりやっていても、世間にニーズがないと見向きもされません。

それなのに周りを考えず曖昧な”個性”ばかり信じて突き進んでしまうと、誰からも相手にされない人になってしまいます。

③正解が一つだと思いがち

これは「◯◯だけが正しい」と思っている人のパターンです。

マリエ

世の中、絶対的な答えなんてほぼありません。

それなのに、「自分だけが正しい」「あの人が言っていたからそうだ」。そう思うことによって、他の情報を遮断してしまうことになるのです。

何かを信じることは素敵なことですが、それが絶対正解・正義であり、それ以外は間違い・悪だと考えてしまうと高い壁を築き上げてしまいます。

マリエ

SNSなんかでも、自分の主張が絶対に正しい!と攻撃的なリプライをしている人っていますよね・・。

物事に絶対的なただ一つの正解はありません。

「自分なりの正解」はあっても、それが相手も同じかは分かりません。

それを理解することが重要ですね。

「バカの壁」の書評

マリエ

では、私がこの本を読んで感じたことや考えたことをお話します。

自分に取り入れたいポイント

この本を読み、バカの壁をつくらないようにするために取り入れたいと思ったことは以下4つです。

①、④は「分かった気になって情報を遮断しないようにする」ための対策

②は「個性ではなく、社会で成功するために最も重要なこと」

そして③は「正解を一つだけと思わない」ための対策です。

バカの壁はどんな人でもつくってしまいます。

マリエ

この本を読んで、私も壁をつくっているなあと感じました・・。

全てを完璧にこなすことは難しいと思います。

ですが、少しずつでも癖づけをしていくことで壁を低くしていくことができるのではないかと思います。

一番重要だと感じたこと

マリエ

そして最後に、一番大事だと感じたことをお伝えします。

この本を読んで、「養老さんが言っていたからそうなんだろうな」というところで思考を止めてしまうと、それも「バカの壁」を作ってしまっている状態です。

「なぜそうなるんだろう」「じゃあこういう時はどうなのかな」など、自分なりの考えを展開していくことが大事です。

マリエ

もし可能なら、近くの人とこの話題について議論するのもいいですね。

自分はこう思うけど、他の人はどうなんだろう?

そう思考を巡らせ、他者の意見を聞いて更に自分の思考を深めることが「バカの壁」をつくらないための一歩になるんじゃないかなと思います。

さいごに

バカの壁について、私なりに解説をしてみました。

マリエ

最初に本のタイトルを見たときは驚きましたが、中身を読んでみると納得できることも多かったです。

バカになりたくない・・とは思うけど、でもバカにならないように毎日気を遣うのも大変だよな・・など、自分の中でも様々な考え・葛藤が生まれる本でした。

ちなみに、色々書きましたが、私はバカであることが悪いことだとは思いません。

マリエ

バカであることと賢くあろうとすること、それはその人の選択なので、どちらが悪いとかはないよな・・と思います。

皆さんはどんな考え方をされるのでしょうか?

気になった方はぜひ手にとってみてくださいね。

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