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今回要約するのは、「確率思考の戦略論」です。
世の数学好きマーケターに読み継がれる名著で、マーケティングに関わる人はぜひ読んでおくべき一冊と言われています。
マリエ
マーケティングは大事だとは思うけど、よく分からないんだよね・・。
そんな人も多いのでは?
ですが、ご安心ください!
本書はデータを基にビジネスを成長させる方法を解説しており、マーケティングの本質についても丁寧に解説されています。
しかも著者はUSJをV字回復させた凄腕マーケター・森岡 毅氏と今西 聖貴氏!
マーケティングについて知りたい人や、データを使ってビジネスを成長させたい人にはぴったりの一冊です。
マリエ
マーケティングに携わっている人、マーケティングはよく分からない人、全員にオススメできますよ!
そんな名著・確率思考の戦略論を徹底解説していきます。
このページの目次
この本で伝えたいこと、それはつまり「ビジネスの成否は戦略で決まり、その確率はある程度まで操作できる。」ということです。
マリエ
確率を操作できるって・・どういうことでしょう?
市場構造の本質は消費者のプレファレンス(好み)であり、このプレファレンスを増やすことが最重要なのです。
そしてそのプレファレンスを構築する要素に、売上を構成する他の要素を組み合わせることで売上UPの戦略を立てることができるとしています。
マリエ
そうなの!?と思ってしまいますよね・・
ですが、この本の著者はUSJをV字回復させた凄腕マーケター・森岡 毅氏と今西 聖貴氏。
実際にUSJの売上を上げた人が書いた本なら、信頼して読めそうですよね!
本書がおすすめなのはこんな人です。
この本ではマーケティングの本質とは何か?が詳細に説明されているので、マーケティングの知識がない人にもオススメ!
本のタイトルから、難しそう・・と思われる方もいると思いますが、実際は数学が苦手な人でも読みやすい本です。
では、確率思考の戦略論はどんな内容なのか?
より詳細を掘り下げていきましょう。
マリエ
私が重要だと感じた以下4つのポイントをまとめていきます。
皆さんも日々の生活の中で、様々な商品・サービスを売り買いしていますよね。
どんな商品・サービスであっても、価値の交換が発生する場所では「市場」がつくられます。
この市場構造を理解することで成功確率の高い戦略を学ぶことができます。
マリエ
そしてこの市場構造を形作っているもの、それこそが消費者の「プレファレンス(好み)」です。
つまり、どのような業者であっても、消費者のプレファレンスに強く影響されるのが市場の本質であるということです。
そして市場競争は消費者の購入意思決定の奪い合いであり、それを左右する重要な要素がプレファレンスなのです。
マリエ
これはどういうことでしょうか。
消費者は皆、自分のプレファレンスに基づいた「エボークト・セット」と呼ばれる購買候補を持っています。
マリエ
例えば、私がアイスを食べたい!と思ったら、コンビニに行ってアイスを選びます。
その時に候補に上がるアイスは大体「雪見だいふく」か「PALM」か「ピノ」です。
この候補をまとめてエボークト・セットといいます。
そしてこの候補の中でもそれぞれ購入確率があり、私はその中からランダムで商品を選択しています。
つまり、消費者に購入してもらうためには、自社の商品・サービスを消費者のエボークト・セットに入れてもらい、そこから購買確率を上げていく必要があるのです。
そしてその一連の流れに必要なものがプレファレンス、ということです。
マリエ
商品やサービスを購入する時は自分の好みで買いますよね。
なので、少しでも消費者からの好感度を上げていく必要があるんです。
プレファレンスを表す式として、本書では”NBDモデル”という非常に難解な式を提示しています。
ですが、この式の全てを理解する必要はありません!
マリエ
理解するべきものはたった一つ、「M」だけです。
Mとは自社ブランドへの一人当たりの投票数を表し、簡単に言うと「選ばれる確率」のことです。
つまりこのモデルから学ぶことは「市場の中で自社ブランドへの一人当たりの投票数をどう増やすか」が戦略である、ということです。
このMを増やす方法は2つあります。
① 投票する人の数を増やす
② 既存ファン一人当たりの投票数を増やす
つまり、新規顧客獲得と既存顧客の拡大です。
これらの方法で自社ブランドへの投票数を高めることが消費者のプレファレンス向上に繋がり、結果として市場シェア拡大に繋がっていきます。
ここまでプレファレンスの重要性と、プレファレンスを向上させるためには「自社ブランドへの投票数を増やす」ということをお伝えしました。
マリエ
ではプレファレンスだけを意識して戦略を立てればいいかと言うと、それも違います。
ビジネス成長のための戦略は以下3つに集約されます。
認知率:自社ブランドがどこまで認知されているかの確率(そのブランドを知っているかどうか)
配荷率:どれだけの小売に展開されているかの確率(その商品・サービスが欲しいと思った時、すぐに手に入れられる状態にあるかどうか)
この3つの中で最重要なのは、今まで解説した通りプレファレンスを高めることです。
なぜなら、認知率と配荷率は100%以上のパフォーマンスは発揮できませんが、プレファレンスは無限の可能性を秘めているからです。
マリエ
しかし、ビジネスに課題がある企業の多くは、②と③に分かりやすい問題があることが多いんです。
例えば、どんなにいい商品だとしても、認知率が低ければ、消費者はその商品の存在を知らないため売れません。
また認知率が高かったとしても、日本に1店舗しかお店がなく、そこでしか買えないとなっては売上も伸びないでしょう。
プレファレンスの可能性を最大限に生かすためには、認知率と配荷率を伸ばさないといけないんです。
戦略を考える上での3つの要素が分かりましたね。
それでは最後に、売上を構成する要素をご紹介します。
これを理解することで、どこに経営資源を投資すべきかを考える軸が分かります。
マリエ
では売上を構成する基本要素を見てみましょう。
売上はこれら7つの基本要素で成り立っていると本書では解説されています。
売上を伸ばすためには、この7つの要素のうちどこに伸び代があり、経営資源を導入すべきかを考えないといけません。
「1年間に購入する確率」や「年間購入回数」は商材によってある程度決まっていると言われています。
なので、それ以外の要素をどうやって伸ばしていくかを考える必要があるでしょう。
マリエ
平均購入金額が低いのか?認知率が低いのか?それとも配荷率が低いのか?
データを見ると傾向が見えてきます。
マリエ
ここまで解説したことを簡単にまとめます。
市場は消費者のプレファレンスで支配されており、そんな中でビジネスを大きくしていくためにはどんな戦略を立てれば良いのか・・。
市場構造や売上を伸ばすための方法が理論立てて説明されており、とても分かりやすい一冊です!
確率思考の戦略論の中身を解説してきました!
ここで、この本を読んで私が重要だと思ったこと、そして注意点を解説していきます。
マリエ
私は、まず最初に見直すべきは「認知率」と「配荷率」であると感じました。
本の中ではプレファレンスの重要性が強く説かれていますが、認知率と配荷率に課題があると、プレファレンスを最大限に生かすことができない・・。
ならば最初にその課題をクリアするべきですよね。
認知率が足りないのか?それとも配荷率が足りず、求めている人の元に商品が届かないのか?
まずはその点をよく考える必要があると感じました。
マリエ
あえて配荷率を下げることでターゲットを絞るといった戦略もあります。
ここは戦略の練りがいがありそうですね!
数学を用いた戦略ということで非常に難しい印象がある本でしたが、非常に分かりやすく、また実践に活用できそうなポイントが散りばめられていました。
ただ気をつけたいのが、本書は「マーケティングの本質」や「考え方」については載っていますが、具体的なテクニックの詳細までは記載されていません。
「本を読んで手順通りに進めよう!」と思っていると、「これって結局どうすればいいの?」と思ってしまうかもしれません。
マーケティングの本質や戦略の建て方を本から学び、それをどう実践に活用するかは自分次第です。
マリエ
小手先のテクニックではなく、今後一生使えるマーケティングの考え方を学ぶ、そんな一冊です。
確率思考の戦略論を解説してみました。
パッと見ると難しそうですが、実際に読むと要点が整理されていてとても分かりやすかったです。
データを使ってビジネスを大きくする、というのは多くのビジネスパーソンが考えることですが、実際にどうするか?というのは非常に難しいですよね。
マリエ
本書を読めば、どんな考え方で進めればいいのか、そのヒントが得られると思います!
もし詳細を読みたい!という人はぜひ手に取ってみてくださいね。