けんけん転職の達人
自分自身のキャリアアップのため、20代で3回の転職経験あり。現在は完全テレワークで理想の働き方を実現。
20社以上の転職サービスの利用経験を元に、上手な転職サービスの使い方やノウハウをお伝えしていきます。
こんにちは。けんけんです。
Airbnbといえば、2011年に創業したスタートアップ企業で、部屋を貸したいホストと部屋を借りたい宿泊者をマッチングするサービスです。
つまり、自分が持っている空き部屋や別荘を貸し出したり、それを借りることができます。
僕もAirbnbを使用し、他人の別荘を貸してもらったことがありますが、控えめに言ってめちゃくちゃいいサービスでした。
Airbnbはデザイナーとエンジニアが共同創業した会社としても有名で、これからも事業成長を遂げるであろうと世間からも注目されている企業です。
米民泊大手Airbnbは5月5日(現地時間)、従業員の約25%に当たる1900人をリストラすると発表した。共同創業者のブライアン・チェスキーCEOによる従業員宛の書簡を公式ブログで公開した。
引用:ITmedia News
2020年5月5日に1900人にも及ぶレイオフを発表しました。(上記メディアでは「リストラ」と説明されていますが、実際は「レイオフ」です)
ざっくり説明すると、事業の経営状況の悪化により人件費のコストカットのひとつとしてレイオフをしたという背景です。
今回はAirbnbのレイオフ(一時解雇)の経緯や、従業員をカットしたにも関わらずなぜ上場をコロナ禍で果たせたのかについて解説していきます。
このページの目次
そもそもレイオフとはなんでしょうか?
リストラと意味が混同しやすいので解説しますと、
リストラとレイオフの違い
どちらも業績が悪化したときや、人件費削減を目的にした手法ですが、圧倒的な違いは、一旦の解雇か完全な解雇かの違いです。
けんけん
レイオフは表面上コストカットを目的にしていますが、意図としては「業績が良くなったときに戻ってきてほしい」というスタンスであることが最大の特徴です。
つまりレイオフを宣言する意図は、
というものです。
そのため、この2つのキーワードは経営視点で組織をどう考えているかの意思表示を汲み取ることができるでしょう。
アメリカではレイオフは割と一般的ですが、日本で馴染みのあるリストラは、基本的に従業員を自社に戻し入れることを想定していないものです。
日本の場合はレイオフと類似して「一時帰休」という制度を施行することがあります。一時帰休とは「雇用を残したまま休業してもらう」ことを指しますため、労働基準法に基づき、休暇中に給料の60%が会社から支払われます。
引用:Airbnb HP
社内通知はもちろんのこと、リアルタイムでの説明会やQAセッションが開催されました。
従業員が直接CEOに質問を投げかけられる機会が提供されました。
今回、解雇に至った経緯や今後どうなるかを解雇対象となった人へ1on1という形で徹底的に説明を行いました。
コロナの混乱の中、解雇対象になってしまった方への対応として
「メールで解雇を伝える」
「CEOからのビデオレター」
「いきなり社用メールが使えなくなり個人携帯へ通知」
など退職者への対応がひどい会社もあるなかで、やはりAirbnb(エアビ)の対応は手厚いものだったと伺えます。
レイオフをしなければいけない原因として、外的な要因であること。
また退職者に責任がないことを入念に説明し、従業員に落ち度はなく、素晴らしい人材であることを強調しました。
退職金として、14週間分のベース給与に加え、勤続年数1年ごとにプラス1週間分の手当てを提供。
つまり4年勤続していたら18週間分の給与を退職金として支給しました。
(アメリカでは1~2ヶ月の退職金が一般的)
また1年間の健康保険の適応を提供しました。
極めつけとして、Airbnbは独自の転職支援を行いました。
専用の特設Webページを開設し、外部企業への雇用促進に努め、退職者が他起業へ採用されやすい環境を整えたのです。
退職後4ヶ月分のメンタルカウンセリングサービスの提供も行い、レイオフされたスタッフのメンタルをサポートする体制を整えました。
けんけん
欧米ではメンタルケアやカウンセリングが重要視されているからこその対応です。日本では考えられませんよね。
#Airbnb上場申請、このタイミングなんだなと少し驚きました。
— 高田和俊@いつでも会える税理士/国際税務/提案型税理士 (@KazutoshiTakada)August 19, 2020
企業価値試算1.9兆円。凄すぎる。。
新しいビジネスを生み出すって感覚は、業界問わず必要です。
クライアントも、私たちも。
米Airbnbが上場申請 企業価値1.9兆円:日本経済新聞https://t.co/KXcjjhVGB5
レイオフをしたAirbnbですが、2020年8月に上場申請をしました。
なぜ、大量解雇を行いながらも上場申請をしたのでしょうか?
コロナ禍になる以前から上場準備をしていた背景があります。
時系列はこんな感じです。
上場準備
↓
コロナ
↓
レイオフ、解雇
↓
上場申請
元々上場しようとしていたところに新型コロナウイルスによる打撃を受けたわけですが、上場を果たすためには事業を健全な状態に戻す必要がありました。
2020年4月までに増資と借り入れで運転資金(サービス維持費、人件費など)を確保と、レイオフによるコストカットという両面でこの課題を改善してきました。
それにより、健全な事業運営に戻す見込みが立ったのかと推測できます。
今回はAirbnbのレイオフの経緯について解説しましたが、会社の経営層や人事、これから転職を考えている人にとっても学びのあるニュースでした。
過去にもAirbnbが退職者に対して具体的にどんなアフターフォローを行ったのかを解説しておりますので、ぜひ見てみてください。
Airbnbのように、会社の危機に対してどのように会社側が向き合ったかは雇用される側にとっても非常に重要です。
日本人は近年お金よりも「働きやすさ」や「やりがい」を求める傾向にあります。
納得感を持って働けるか、会社に対して愛着を持てるのかは、経営難をどう打破したかを見ることでその会社の本質を垣間見ることができるでしょう。
例えば企業のUI/UXデザイン支援を手掛けるグッドパッチも最近上場しましたが、過去に大規模な組織崩壊により従業員数の体調離脱を経験しています。
そのときにどんな思いでどう対処したのかをCEOの土屋さんがまとめてくれています。
転職の際にも、このような過去の課題に会社側がどう対処したのかを調べたり、面接時に聞いておくことで、入社後の納得感を得ることができるかもしれません。