るてぃ
三菱UFJ銀行が2022年春の新卒採用の一部に、能力に応じて給与が決まる仕組みを導入。
場合によっては、大卒1年目で年収が1000万円を超える場合もあるそうで。
三菱UFJ銀行が新卒で年収1,000万円を得られるような制度を導入すると発表。
— はす太郎@銀行員投資家 (@hasu_co_jp)March 27, 2021
IT化が進む中でデジタルに強い人材を確保することが狙いとのこと。
日本の銀行は、若手行員の給与はほぼ横並びの評価報酬制度が一般的。
そうした業界においての今回の発表は中々のインパクトですhttps://t.co/17UzIrpd1L
きだっち
これは思い切った施策に出ましたね・・・
るてぃ
直近では、くら寿司やNECも新卒で年収1000万以上を提示していて、トレンドになりつつありますね。
きだっち
若い世代にとっては夢がありますが、一時的に注目を集めるだけで終わらないのでしょうか?
るてぃ
そこで今日は、新卒の一律採用の変革と年収1000万採用の実態について解説していきたいと思います。
このページの目次
きだっち
最近、新卒の年収を能力に合わせて大幅に引き上げるニュースが目立ちますが、
年収1000万円を出してまで採用したい理由って何なのでしょうか?
るてぃ
理由は終身雇用の形骸化と少子高齢化の影響で、各社で優秀な若手人材が不足しているからですね。
今までは、1社に勤めることが当たり前であり、長く勤めていれば徐々に年収が上がって40歳を超えることには生産性以上の年収がもらえる構図でした。
定年時には退職金も出て老後も安泰というのが今までの働き方ですね。
るてぃ
しかし、多くの人は自分が働いている企業で、退職金が出ないことに気付いてしまっています。
必死に働いたとしても、給与に反映される保証はなく、そうであれば年収の高い企業に転職しようと考えるのは当たり前の考えだと言えます。
きだっち
まさに人材の奪い合いが起きている状況なんですね。
るてぃ
さらに少子高齢化も加速しているので、優秀な若手人材の不足が深刻な問題になっています。
下記は新成人の人口の変化をまとめたグラフですが、綺麗に右肩下がりで推移しています。
参照:yahooニュース
きだっち
20年間で30万人マイナス!?
るてぃ
はい。総人口で見ても2000年に1億2693万人だった人口が、2050年には9515万人とマイナス3000万人に減ると言われているので、かなり深刻なんですよ。
そもそもが人手不足なので今後の時代、どこかしらの企業には就職出来ると思います。
しかし、企業が欲しいのはその中でも会社の売り上げを伸ばしてくれる優秀人材。
るてぃ
その点では年収の引き上げが一番分かりやすいので、「新卒で年収1000万円」とキャッチーな文言で注目を集めている訳です。
ちなみに「優秀な人材」の定義は各社によって変わりますが、傾向としては、
など、デジタル化・海外展開に対応出来る素質がある方を指す傾向が強いです。
きだっち
ちなみに新卒の平均年収ってどのくらいなんでしょうか?
るてぃ
新卒の平均年収は200〜250万円と言われています。
厚生労働省が出しているデータだと、
という結果が出ています。
きだっち
つまり、年収1000万円の場合は、平均年収の4〜5倍ですか!?
るてぃ
これからの時代は貧富の格差がさらに広がると言えます。
今からでも遅くないです。特にIT・デジタル関連の最新情報を追って日々勉強していくのは必須ですね。
るてぃ
今回のニュースで話題に上がった三菱UFJ銀行の他に、新卒で年収1000万円以上を提示した企業をピックアップしてみました。
日本企業が最先端のエンジニアや研究者の待遇改善に乗り出している。NECは優秀な新入社員には年収1000万円以上を支払う制度を導入。NTTはスター研究者に年1億円の報酬を出すことを明らかにした。#日経ビジネス#NEC#NTT#年収1000万https://t.co/VaCvY3ZYii
— 日経ビジネス (@nikkeibusiness)July 14, 2019
コメント:
NECは2019年10月から新制度として、大学時代に著名な学会での論文発表の実績があれば新卒でも年収1000万円を提示。
ちなみにNECで大卒の新卒年収は300万円程度なので、3倍の差がつけられています。
回転ずしチェーン「無添くら寿司」を運営するくら寿司が、2020年春の新卒採用で、入社1年目から年収1000万円の「幹部候補生」の募集を始めている。/新卒に年収1000万円を保証するくら寿司の焦り https://t.co/GmMpdegyd5 #くら寿司 #飲食業
— PRESIDENT Online / プレジデントオンライン (@Pre_Online)September 5, 2019
▼くら寿司の募集条件
参照:ITmediaビジネスオンライン
コメント:
くら寿司もグローバルで活躍出来る人材を年収1000万提示で募集。
東大・早稲田・慶應中心に海外からも200名以上の応募者が集まっています。
ファーウェイ、新卒に3000万円 CEO「世界から募集」https://t.co/KPGCBnWcgs
— 日本経済新聞 電子版 (@nikkei)July 26, 2019
コメント:
ファーウェイは博士号を持つ新卒者に対し、中国のIT企業幹部などと同等水準の最大約200万元(約3100万円)の年俸を提示。
2019年内に最大30人、20年には同300人程度の採用を目指し、技術の更なる発展と離職率の低下を図っている。
きだっち
規模感が違いすぎて、コメントできないです(汗)
るてぃ
他にもマイクロソフト・ソニー・サイバーエージェントが初任給で年収700万以上、オンデーズが年収600万以上を提示していますね。
るてぃ
現状打開の試みとしては良いと思いますが、元人事の私の意見としてはこの施策は懸念点もあると考えます。
大きくは3点です。
きだっち
解説お願いします!!
るてぃ
研究者として優秀であっても、ビジネスで通用するかは分かりません。
新卒で入った研究者自身がビジネス感覚に優れていて、会社の方針にあったサービス開発ができれば良いですが、新社会人1年目でその能力を求めるのは酷でしょう。
るてぃ
つまり、優秀な研究者を上手くマネジメント出来る人材が必要ですが、NECや三菱UFJ銀行などの古い体質のTHE大手企業に当てはまる人材がいるのかは疑問が残る点です。
そもそも新卒1年目ということで、初歩的なビジネスマナー(遅刻をしない・ホウレンソウが出来る)や常識があるのかも分からない人を年収1000万円で雇うのはハイリスクだと言えます。
るてぃ
せっかく入った優秀な人材が定着してくれるかは分かりません。
場合によっては、1年で退職してしまうケースもあります。
会社は退職を引き留めは出来ても、最後は本人の自由意志が尊重されるので、いくら高額な年収を払っているという抑止力が働くとしても、退職する方は退職してしまうでしょう。
るてぃ
また、年棒制なので初年度が1000万円でも2年目には大幅減給させられる可能性もあります。
高い給与を支払っている分、プレッシャーも大きい訳で、過度なプレッシャーの結果パフォーマンスを発揮できないケースも考えられます。
今回の募集は能力に応じて毎年年棒が決まる給与形態なので、、2年目からは他の社員と同様に年収300〜400万円に下げられるという場合も十分あるのです。
きだっち
入れたら入れたで、当たり前ですけど大変なんですね・・・。
るてぃ
今回は三菱UFJ銀行の新卒で年収1000万円募集のニュースをもとに、募集の背景や他社事例を解説してみました。
きだっち
今後を考えると他人事じゃないなと思いました。
市場価値の高い優秀な人材を目指して頑張ります!!
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