零細企業はやめとけ!その理由は?メリットデメリットも解説

記事更新日: 2021/10/11

ライター: まつぱち

この記事で分かること
  • 零細企業はよっぽどの理由がない限りやめた方がいい
  • 安易な気持ちで零細企業に入社すると、ブラック企業に引っかかる恐れがある
  • 零細企業に転職するならば、事前調査をしっかりするべき

きだっち

まつぱち先生、少しいいですか?

まつぱち

はい、どうしました?

きだっち

私の友人に、社員が10名もいない、いわゆる零細企業に転職しようとしたら周囲に止められたと悩んでいる子がいて・・。

その子にどうやってアドバイスしてあげたらいいんでしょう・・。

まつぱち

確かに、零細企業に転職したいと言うと周囲は不安になりますよね・・。

SNS上でもそのような声を見かけます。

まつぱち

僕も、安易な気持ちで零細企業に転職するのは辞めた方がいいと考えています。

きだっち

やはりそうなんですか?安易な気持ちってどういうことでしょう?

まつぱち

特に明確な理由もなく、また事前調査もしない状態で入ると、とてつもないブラック企業に入ってしまうかもしれないんです。

きだっち

ええ!!

まつぱち

なぜ零細企業はやめておけと言われるのか?どうやったらブラック企業を見分けられるのか?

友達が判断できるよう、解説しますね。

本日のプレゼンター
転職市場を知り尽くしたプロ まつぱち
東証一部人事→転職エージェント→独立
  • 偏差値35の不登校学生からキャリアを逆転
  • 累計キャリア相談者数6,000名以上
  • 累計25回、社内月間売上トップ受賞
  • 大好評キャリア相談で転職成功者多数
  • 相談者様の声
Twitter:@matsu_JobTier
本日のアシスタント
アラサーOL きだっち
JobTierで学んだ知識を活かし、アシスタント歴9か月目にしてコロナ禍での転職活動成功。
派遣社員(事務職)から未経験エンジニアへのキャリアチェンジを実現!
そのためか、よく友人から転職について相談される。
Twitter:@kidachi_JobTier

零細企業に入社するデメリット

まつぱち

最初に零細企業に入社するとどのようなデメリットが考えられるのかを紹介します。

きだっち

うわあ・・どれも嫌ですね・・。

どうしてこのようなデメリットが考えられるんでしょうか?

まつぱち

あくまで「このような傾向がある」という意味ですが・・。

やはり企業が小さく、人がいないことが原因になっている場合が多いですね。詳しくみていきましょう。

給与が低い

まつぱち

国税省が発表している、令和元年の事業所規模別の平均給与のデータがこちらです。

細かく分かれていますが、いわゆる零細企業と呼ばれる事業所規模が10人未満のデータを見ると、平均給与は340万程度です。

一方100~499人の企業の平均給与は440万、1000人以上になると500万以上と、企業規模が大きくなるごとに平均給与が増えています。

引用:民間給与実態統計調査結果 | 国税庁

きだっち

これほど違いがあるんですね・・。

まつぱち

しかも勤続年数は企業規模が小さいほど長い傾向にあります。

つまり、零細企業は長く勤めても年収が上がりづらいことがこのデータから分かるでしょう。

残業が多い

まつぱち

零細企業は残業時間が長いと言われています。

きだっち

言われている・・というと?

まつぱち

厚生労働省や経団連など、さまざまな団体が労働時間に対してのレポートを出しているんですが、残業時間は「企業が申請するもの」なので、実態が本当にそうなのかは見えないことが多いんです。

きだっち

残業時間が多いと指摘を受けてしまいますもんね・・。

まつぱち

しかし零細企業は人が少なく、とにかく仕事量を増やさないと企業の売上が維持できないため、残業時間は多い傾向にあります。

まつぱち

そしてその残業はサービス残業として処理されることが往々にしてあるんです。

きだっち

残業してもお金をもらえないのは辛すぎますね・・。

休みが少ない

まつぱち

厚生労働省が出した、令和二年の企業規模別平均年間休日総数のデータを見てみましょう。

このデータを見ると、従業員数が30~99人の場合、平均年間休日総数が108.9日です。

そして従業員数が増えるほど平均年間休日総数が多くなっています。

引用:令和2年就労条件総合調査の概況 | 厚生労働省

まつぱち

このデータには零細企業と言われる従業員数10名未満のデータはありませんが、この傾向から見ると休日は少ないと考えていいでしょう。

きだっち

こうして見ると違いが顕著ですね・・。

まつぱち

従業員数が少ないため、どうしても一人あたりの仕事量が増えてしまうんです。

そのため休日を少なくして働いていると考えられますね。

福利厚生が充実していない

まつぱち

零細企業では福利厚生が充実していない傾向があります。

きだっち

確かに、求人票を見ても大企業とは明らかに福利厚生の充実具合が違いますよね。

まつぱち

福利厚生を充実させるためにはどうしてもお金が必要です。

そのため、資金があまりない零細企業では福利厚生は後回しにされがちなんです。

コンプライアンスを遵守していない

まつぱち

今までの話にも通じますが・・零細企業にはコンプライアンスを遵守していない企業も多いです。

きだっち

えええ・・なぜそのようなことになるんでしょう・・。

まつぱち

外部からの目があるので、企業規模が大きくなればなるほどコンプライアンスは意識する傾向にあるんです。

2017年に東京商工リサーチが労働基準関係法令違反を調査した結果、違反している企業の7割が中小・零細企業でした。

売上高5億円未満が212社(同55.7%)と半数を占め、10億円未満の中小・零細企業は260社(同68.4%)と、全体の7割に達する。また、売上高が判明しない企業の多くは個人企業などが占め、実態は小・零細企業が占める割合はさらに拡大する。

引用:第2回全国「労働基準関係法令の違反企業」実態調査」 | 東京商工リサーチ

まつぱち

もちろんコンプライアンスを遵守している企業もありますが、こういった実態は覚えておいた方がいいでしょう。

社長がワンマン

まつぱち

零細企業は従業員が少ないため、ワンマン経営になりやすいです。

きだっち

少ないからこそみんなで話し合って決めるものではないんですか?

まつぱち

コンプライアンスへの意識が低いことや、人数が少ないからこそ社長の影響範囲も大きいこと、規模が小さい企業ほどスピード感を求められるため、誰かが仕切らないと仕事が進まないことなどから、どうしてもそういった傾向になりやすいんですよね・・。

もちろん、いいワンマン経営であれば判断が早いメリットを存分に活かすことができ、従業員も社長についていくでしょう。

しかしよくないワンマン経営の場合、自分の気分で全て決めてしまう、パワハラやセクハラが横行するといった悪い面も出やすいです。

きだっち

転職後によくないワンマン経営だと分かってしまったら、とても辛いですね・・。

零細企業に入社するメリット

きだっち

デメリットを見ると、零細企業に入るのはやっぱり辞めた方がいいかもと思ってしまいますね・・。

メリットはないんでしょうか?

まつぱち

もちろんメリットもありますよ!

人が少ない、企業が小さいからこそ得られるメリットを紹介しますね。

  • さまざまな仕事を経験できる
  • 裁量権の大きい仕事がしやすい
  • 昇進しやすい
  • アットホームな職場が多い

さまざまな仕事を経験できる

まつぱち

零細企業は人が少ないので、大手企業では分担して行う仕事も一人が兼任する場合がほとんどです。

例えば、営業をしながらカスタマーサクセス、広報を兼任したり、総務や経理などといったバックオフィス系をまとめて見たりすることもあります。

仕事が多岐に渡るため忙しく大変ですが、その分力はつくでしょう。

きだっち

経験値を積むにはいい環境なのかもしれませんね!

裁量権の大きい仕事がしやすい

まつぱち

零細企業のメリットとしてもう一つ挙げられるのは、「裁量を持った仕事がしやすい」こと!

普通の企業では若い社員が自分の力でプロジェクトを進めることはあまりありません。

しかし零細企業はとにかく人が少ないため、一人一人が責任を持って仕事を進める環境が多いです。

まつぱち

上の指示に従うだけじゃなく、もっと自分の意思で仕事を進めたいという思いが強い人には嬉しい点だと思います。

きだっち

若いうちからどんどん経験がしたい人には特にいいかもしれませんね。

昇進しやすい

まつぱち

零細企業は人が少ないので、若手でも昇進がしやすいです。

特に大手企業では上の役職が空かないため昇進ができない状況もありますが、零細企業ではその心配はありません。

早く昇進したい人には魅力的でしょう。

まつぱち

ただし、零細企業で出世して給与が著しく上がるかと言うとそういう訳ではないので注意です!

アットホームな環境が多い

まつぱち

零細企業は人数が少なく、オフィスも小さいことが多いため、アットホームな環境が多いです。

経営者関係なくコミュニケーションを取り、お互いの事情もよく把握して対応できるでしょう。

また経営者との距離が近いため、経営に関する学びを得やすいのもメリットの一つと言えます。

人は多く集まるほど多様化します。そのような環境でストレスを感じる人もいるでしょう。

大企業で多くの人とのコミュニケーションに疲れを感じる人もいると思います。

まつぱち

そのような人にとっては零細企業は人間関係を築きやすい場であると言えます。

零細企業に向いている人と向いていない人

きだっち

メリットもデメリットもあるんですね・・。

零細企業に転職するかどうか、どうやって判断したらいいでしょうか?

まつぱち

では零細企業に向いている人と向いていない人、それぞれどのような人なのかをお伝えしますね。

きだっち

今までの話を聞くと、向いているのはどのような人なのか気になります・・!

零細企業に向いている人

まつぱち

零細企業に向いている人は以下のような人です。

まず、「絶対にその企業で働きたい」という明確な理由がある人は零細企業でも問題ないでしょう。

「お金や時間、福利厚生よりも自分にはやりたいことがある」という強い意志があれば、企業規模関係なく転職はうまくいく可能性が高いです。

まつぱち

ただし繰り返しますが、零細企業は人が足りていないため、働き方も過酷になりやすいです。

まつぱち

もちろん企業によって差はありますが、今までに挙げたデメリットはあるかもしれない、と覚悟を決めてから判断することをおすすめします。

まつぱち

続いて、零細企業に向いていない人をお伝えします。

零細企業は人が少なく企業規模も小さいため、一人あたりの負担が重くなり、過酷な労働になる傾向があります

プライベートの時間をしっかり確保したい人は零細企業には向いていないでしょう。

また、零細企業は売上や利益が安定していないことが多いため、他企業と比較すると倒産する可能性も高いです。

まつぱち

そのため安定した仕事に就きたいと思っている人にも零細企業はおすすめしません。

デメリットの章でお伝えした通り、年収も相対的に低いので、お金を稼ぎたいと考えている人にも不向きでしょう

ブラック零細企業の見分け方

きだっち

こう考えると、零細企業っていわゆる”ブラック企業”が多いんじゃないでしょうか?

まつぱち

もちろん企業によって労働環境に差はありますよ。

全てがブラック企業ではありません。

きだっち

そうなんですか?見分け方があれば教えて欲しいです・・!

まつぱち

では辞めた方がいい企業の見分け方をお伝えしますね!

企業のホームページをチェック

まつぱち

企業のホームページで見るべき点は以下4つです。

  • 全体的なホームページの完成度が低い
  • 誤字脱字が目立つ
  • 家族で経営している
  • 仕事内容が下請け

ホームページの完成度が低いまたは誤字脱字が目立つ場合、ホームページに手を回す余裕がない、もしくはホームページ更新の優先度が低いこことが予想できます。

このネット時代に、自社の大事な看板であるホームページを整備していないのは、時代にそぐわない経営をしている可能性があるのです

まつぱち

また、経営者がみんな同じ名字で家族経営だろうと予測できる場合も要注意です。

家族経営の場合、企業の中で仕事とプライベートの境目がなくなっていることがあります。

社長も企業を私物化しやすく、普通ならありえないマネジメントをする場合があるので注意しましょう。

まつぱち

そして仕事内容が下請けの場合も注意が必要です。

ビジネスの構造上、下請けなど商流の中で下流にいる企業は、どうしても上流の企業が言う事を聞かざるを得ません。

そのため、下請けで働く企業はどうしても無茶な要望をされがちなのです。

まつぱち

しかも零細企業の場合は資金が潤沢ではないことが多いため、なんとかその要望に応えるために根性論で片付けてしまう場合があります。

それによって従業員の無理な労働に繋がる可能性があるため、仕事内容も注意しておきましょう。

求人情報をチェック

まつぱち

求人情報でチェックするポイントは以下の通りです。

  • 募集人材のハードルがやたらと低い
  • 不自然に給与が高い
  • 基本給や残業代の明記がない
  • アピールできる部分が抽象的なものばかり

募集人材で、「学歴不問」「未経験者大歓迎」「フリーターの方OK」など、やたら募集要件のハードルが低い求人は注意しましょう。

まつぱち

ハードルが低い、裏を返せばそれだけ下げないと人が来ないんです。

教育制度がしっかりしている場合もありますが、違和感を感じたらその企業の口コミをよく調べることをおすすめします。

まつぱち

次に、不自然に給与が高い場合も要チェック!

なぜか他よりも異常に給与が高い場合、厳しいノルマをクリアした場合の特殊な例を掲載していることがあります

その場合は入社後、相当なプレッシャーをかけられる場合があるため、避けた方が無難でしょう。

まつぱち

お金関係だと、基本給や残業代の明記がない場合も注意です。

求人表には「給与」という形で丸めて記載する企業もありますが、基本給や残業代が明記されていない場合、「みなし残業制」の悪用や残業代不払いなど違法労働の可能性があります。

まつぱち

とても大事なことなので、もし明記されていない場合は面接時にしっかり確認しましょう!

もしこの質問をして嫌な顔をされたら「ここはブラックだ!」と思って早々に切ることをおすすめします。

最後に注意するのは、「アットホームな職場」「やりがいがある」「若手が活躍」など、抽象的な言葉でしか自社をアピールできていない求人です。

具体的に示せる実績や長所がない企業はこのような抽象的な記載が多く、ブラック企業である可能性が高いです。

面接時にチェック

まつぱち

面接はその企業の人と話せるチャンスです。

雰囲気をしっかり見ておき、この企業はブラックではないか?を判断しましょう。

ブラック企業かもしれない危険信号は以下の通りです。

  • 採用フローが急に変更される
  • 面接の時間が守られない
  • 面接官の服装がだらしない、面接を受ける場所が汚い
  • 面接官が高圧的
  • プライベートなこと(家族・恋人関係、結婚、出産など)を遠慮なく聞いてくる

きだっち

ちょっと信じられないものもありますね・・。

まつぱち

ですが実際にあるんです・・。

面接は「自分が選ばれる場」だけではなく「自分が選ぶ場」でもあるので、自分も採用担当になった気分で臨みましょうね!

零細企業を避けて転職に成功させる方法

きだっち

まつぱち先生ありがとうございます。

零細企業について色々と学ぶことができました!

まつぱち

それはよかったです!

結論、僕の意見は覚悟と熱意がなければ零細企業への転職はおすすめできないです。

きだっち

転職後のリスクが高すぎる、ということですよね。

まつぱち

その通り!そして最後に零細企業を避けて転職活動をしたいときの方法をお伝えしますね。

  • SNSや口コミサイト、四季報などで事前に企業の調査をする
  • キャリアサービスや転職エージェントを利用する

SNSや口コミサイト、四季報などで事前に企業の調査をする

まつぱち

まずこれは大前提です!必ず企業の調査をしましょう!

ブラック企業の見分け方でもお伝えしましたが、自分が入社するかもしれない企業の情報は調べておきましょう。

企業規模をチェックし、どのような環境で働いているかは案外すぐに分かります。

就職四季報は企業研究の鉄板本で、採用人数や平均年収、業績、3年後離職率などさまざまな情報が分かります。

まつぱち

より詳細な情報を知りたいなら就職四季報が便利ですが、購入しなければならないのがネックですね。

口コミサイトやSNSは無料で閲覧できるので、事前に確認しておきましょう。

キャリアサービスや転職エージェントを利用する

まつぱち

キャリアコーチングや転職エージェントを活用し、自分の希望する条件を伝えて企業を探してもらうのも手です。

ちなみにキャリアコーチングは「求職者がお金を払ってキャリア全体を支援してもらうサービス」、転職エージェントは「無料で人材業界のプロから企業を紹介してもらう」といった違いがあります。

多少違いはありますが、企業を紹介してくれる点では同じです。

まつぱち

これらサービスを使うメリットは、自分で探すよりもブラック企業に当たる可能性が低いこと!

なぜならキャリアサービスは求職者がお金を払うので、その分真剣に対応をしてくれます。

転職エージェントの場合は求職者が転職後すぐに辞めてしまうと企業からお金をもらえないため、ある程度ブラック企業は除外して紹介してくれるのです。

まつぱち

どちらも企業や担当者の質に差は出てきてしまいますが、うまく活用できれば心強い味方になりますよ!

▶︎キャリアサービスとエージェントのおすすめはこちらの関連記事を参考にしてください。

きだっち

ありがとうございます!友達にも今回学んだことを教えてあげます!

まつぱち

悩みが解決するといいですね!後悔のない転職活動をしてください!

===

るてぃ

最後にJobTierからお知らせです!

■お知らせ■

\   LINE@はじめました /

るてぃ

皆さんの登録お待ちしています!

この記事に関連するラベル

転職エージェント一覧

Webスクール一覧

このジャンルのサービス

ページトップへ